最近フライヤーやフリーペーパー集めに凝っており、
(と言っても、偶然目に付いたものを積極的に持ち帰り、
 壁に貼ったりファイリングする程度のものなんだけど)
終いに彼女には「少女趣味」呼ばわりまでされる始末。


しかし近頃、こういったアナログな情報媒体に
そこはかとない愛情を感じてしまう。
今に始まったことではないけれども、
あまねく宣伝のやり方というのは大体において性質が悪い。
こちらの意思なんか省みずに、無理矢理押し付けられる。
商品価値をアピールするのにデリカシーなんか必要ないのだろうが
うざったい資本主義の観点から一歩外に出て
一個の人間として考えれば、こんなに鬱陶しいものもない。


そこに来て、フライヤー類の押しの弱さはステキだ。
(CD袋に無理矢理突っ込まれる場合除く)
それはさりげない棚にちんまりと鎮座ましまして、
純粋にこちらに受け取る意志のない限り、
ちゃんと目に触れることはない。
俺は基本的にあまのじゃく体質なので、
こういう場合実に積極的になる。


一口にフライヤーと言っても、色々あるのであって、
文字ばかりでデザイン性の薄いものはつまらない。
面白いのはやはり美術展・写真展などアート系の催しの告知だ。
紙質も色々だが、ポストカードになっているものは
それ自体で商品にできる位クオリティが高い。
また、紙質の悪さを逆手に取り、手製の暖かみを醸すような
イデア勝負のものもある。
どのフライヤーにも独自の方法論があって飽きさせない。


また、告知する対象がいかにもミニマムな場合が多いのが
個人的に琴線に触れている理由でもある。
誰も知らないどこかでひっそりと、何かが起きている。
それは一般個人の目を通したリアリティからすれば、
もはや現実に起きていることではなく、
お伽話か童話の世界の話題に等しいかもしれない。
持ち帰ったフライヤーを目にして、実際足を運ぶことは
まずないわけだが、それでもそんな夢のある世界に
一端でも触れることができるのが(しかもお金を掛けずに)
妙に嬉しく、楽しいんである。


ところで、最近アロマテラピーを試している。
ますます「少女趣味」呼ばわりされる可能性大。