ゼミ発表。

一昨日の鴎外ゼミは、またしても案ずるより生むが易し、大成功でした。
このゼミの山崎教授という方は、非常に芯の強い、「男の子」とでも
呼んでしまいたくなるようなガチンコ教師でありまして、
俺の発表の後も、冷静な表情で「非常に論理的な発表です」などと
分析してたんですが、終った後、俺とO下とで喫煙所で
煙草ふかしていたら、山崎先生が走ってきて、見たこともないような
チャーミングな笑顔を浮かべて、「いやー凄い発表だったねえ」と
仰ってくれた。生徒の手前、そら緩めないもんな。いいんだわ、この人。
彼は男の子なので、冗談めかしながらであったが
「私でもこんなにうまくはできないよ」なんて、フロイトの発表の時と
同じことを言われてしまった。
フロイトの方はアレだが、山崎さんの方はむしろ尊敬を抱いているので
恐縮してしまった。


講義で漏れた箇所を喫煙所で論議した後、「アナタ卒論何やんのよ」と
聞いてくるので、俺の考えている、都市文学めいたものを説明した。
後でO下は「正直だな」と言ってたんですが
つまり来年のゼミ選択は、卒論の内容に合わせて教授を選ぶのであり、
O下に言わせれば「あれはプロポーズだった」らしいんだが、
彼の専門は漱石、鴎外、芥川、樋口一葉、川端・・・といった、もう
旧来よりの厳然たる近現代文学派。
しかも、甘えを辞さない理性主義。
ちょっと分野が違いすぎるって話で。
それでも説明したら、すごく興味を持ってくれて、
「ぜひ聞きに行くよ」なんてちょっと淋しげに仰られていた。
ごめん、山崎先生。