モノクロ現像。

できあがった写真:http://photos.yahoo.co.jp/bc/kotobukiriano/
初めて自家現像にトライ。
モノクロはマイノリティなせいか、店で現像すると
えらく高くついてしまうのだが、自家現像だとかなり
安価で済ませることができる。
現像作業といえば暗室だ。
暗室作業というのはかなり心惹かれるものがあるが、
今は暗室を使わず、時間もかけず手軽にモノクロ現像が
できるという、「ダークレス」なるキットが
フジフィルムから出ている。
モノクロ初心者の俺は、ひとまずこれを使って
現像を体験してみることにした。
そのほか液温計、水洗い促進剤・富士QW、ドライウェル、
フォトスポンジといった現像に必要なアイテムを
ヨドバシカメラ仕入れる。
これらの代物は存外安く、1000円もあれば揃う。


さて初現像、当然ながら大変にテンパった。
失敗すればそれまでであって、シャッターを切った
アノ瞬間はもう二度と再現できない。
苦しいんだけど、まあ一期一会というか、これが
アナログ作業のよさなんだろう。
失敗も含めて思い出という。誤魔化せないのだ。


ダークレスの取説を熟読して臨んだので、パトローネを
タンクに入れた現像液に浸してぐるぐる攪拌する作業までは
いい感じだったのだが、上ぶたと一緒にパトローネを摘出する
ところで、なぜか上ぶただけ外れて、タンク内に
パトローネが残ってしまい、大変にパニクった。
なにせ、取説には現像から定着作業までのスピードが
成功を分けるようなことが書いてある。
現像液に浸す時間も2分半と厳密に決まっているのに。
ここでもう、半分ダメかと思いつつなんとか取り出し、
急いで定着作業。


おそるおそるフィルムを見てみると、それでも何とか
形にはなっていた。
ネガを取り出す瞬間は感動する。
この一瞬のためだけにも、自家現像ぜひお薦めしたい。
あとの水洗・乾燥作業は面倒臭いといえば面倒臭いけど、
生まれたてのネガにラブを感じつつやれば
結構楽しくなること請け合いだ。


できたネガは、本来は引き伸ばし機を使い引き伸ばすのだが、
そんな大層なものは持っていないので、ひとまずここまで。
ネガシートに保存し、スキャナーで取り込んでみた。
仕上がりは、まあ予想はしていたものの、イマイチ。
モノクロの魅力であるところのコントラストが甘かったり、
現像むらが結構ひどかったりと。
現像でのミスのせいも多分あるし、ダークレスの限界もあると思う。
とはいえ初自家現像だし、手間をかけた分、しょぼくても
愛着の度合いはデジカメ写真の比じゃない。
フィルム一本現像しただけでなんですが、モノクロ現像、
きっと楽しいのでぜひお試しあれ。