『誰も知らない』

juriano2005-06-15

観たわ。
あー・・・痛いわ。
映画的脚色に乏しいのが正直、恐ろしいんだわ。
事実を基にしている上に、カメラは恐ろしく冷静に、
現実だけを映している。
この映画で登場人物が涙を流すシーンはひとつもない。
メッセージ性を意図せずに、厳然とただ現実を
捉えているという、冷め切った視点が、大変に寒気を催す。


この映画は作られる必要のある映画だし、これを観た人の
反応が非常に気になる。
特にうちの地元なんてね、割と23区の底辺みたいなところ
ですからね、何も考えずにボンボン子供作った挙句、
ほったらかしてテメエら遊んでる、みたいなクズ親どもの
巣窟だからね。
そんな街のTSUTAYAでレンタル好評なのは、どういうことかなと。
これを観て、何を思うんだろう?
なんか、この母親、ちょっと思い当たる女性がいるですよ。
俺それ考えると観ていて非常に辛かった。


単純に飢餓状態とか、そういう尺度だったら、国を変えれば
もっと幾らでも悲惨な状況ってあるわけだけど、
ここでは、実にシャープに現代の日本を指向していて、
豊かさの裏側で起こっている現実を、極めて冷静に描いてる。


物事を考える素材として、最高に価値があるんじゃないかと
思った。それこそ中学校とかでこういうの授業に取り入れたら
良い教育ができるんじゃないか。
あとは単純に、責任持てるかって意味で子供作る前に観た方がいいよね。