カイバ。

http://www.wowow.co.jp/anime/kaiba/
カイバについて書きたいと思いつつ
どんどん時間が過ぎ去ってしまった。
Janisで出会ったアニメ作品。
（Janis、映像作品の品揃えも実に渋い）
アニメ自体を全くチェックしてなかったこの頃ですが、
近年稀なほどツボに入った作品。


手塚タッチを彷彿とさせるプリミティブな絵柄ながら、
内容は極めてエグいです。
人間の記憶をチップに保存する技術が確立していて、
記憶の改竄、記憶のコピーといったタブーが
あっけらかんと行われている世界。
チップを入れ替えれば身体の交換も自在に行えるため
不老不死が実現しているんですが、
ボディは高価なため、金持ちだけがいい目を見て、
貧乏人は記憶をチップに残して身体を売っているという、
ディストピアな内容。


記憶の保存技術なんて、ぱっと聞きはかなり夢があるけど
実際にそれが使われて人間は果たして幸福になっていくのか。
技術が発達して便利になる一方で失われていくものを
逆説的に描いている意味で非常に「今」を感じさせます。
ＳＦだけどぶっ飛んでない。足元見えてる。


何とはともあれ、実験的かつサイケに描かれる世界観が
実にカッコイイ。
オレもはじめは見た目で持ってかれた。
この白昼夢みたいな演出はどこかで観たな〜と思ったら、
監督の湯浅政明氏は『ねこぢる草』の作画監督だったのだね。
http://www.geocities.jp/kotobukiriano/reviewpage/nekodirusou.html
↑って、なつかしいがな！！


そして、またBGMが実によい仕事をしています。
この音楽なしにはカイバ独特の世界観はあり得なかったと思う。
映像と音楽がケッコンしてる。
こういう職人的な仕事にオレは敬意を抱きます。
昔サウンドクリエイターになりたかったのを思い出した。


１２話ソッコーぶっ通して観て、コーフンし
スキモノな友人共にメール。
アニメ大好きな大きなお兄さんの割に
皆カイバはスルーしているのでなかば憤った。
こんないい作品はもっとオレに早く教えて下さいよ。


ってことで、未見の御仁はぜひ観て下さい。
わりと衝撃だと思うので。
あ、ちなみに１、２話辺りでは伏線だらけで
全く話についていけないと思われますが
後半怒涛の展開なので頑張って観て下さい。