春は遠くからけぶつて來る。

萩原朔太郎じゃないが
この時期の情緒不安定になる感じは
イカンともしがたいよね。
ってことで読書しまくって精神の平静を保つ
作戦に出た。
せっかくカイバという名のアニメを観たから
海馬について知ろうと思い、
というか下のコメントを書いて思い、
「海馬―脳は疲れない」(新潮文庫)池谷 裕二×糸井 重里
を読んだ。気鋭の脳科学者・池谷氏と糸井氏の対談。
滅茶苦茶面白かった。
脳の可塑性の話とか、寝ている間に海馬が夢を作り出して
記憶の取捨選択、情報の整理をしているとかさあ。
これは脳にとって不可欠な作業だから
あまりに寝なさすぎると、日中にこの作業をするから
幻覚が見えるらしい。スゴイ。
そして寝ているネズミの神経細胞を見ていると、
日中に使ったのと同じ神経細胞が反応して、
その色んな組み合わせを
試しているのが分かるらしい。
夢を細胞の反応として視覚的に見えてるのが
なんというかスゴイ。感動する。
それで、学生時代にフロイト「夢判断」をそれなりに
読んだ身としてもこの話は実に刺激的だ。
抑圧された無意識の意識化への表出。
これとこれは組み合わせちゃいけない!と
意識化でストッパーをかけている組み合わせを
夢で組み合わせてしまったりするのかな、と
色々妄想する。


同書で糸井氏が脳を極限まで使っている人の例として
宮崎駿のモーレツな仕事ぶりを語っていて、
朝9時から夜中4時まで仕事というスタイルを
何十年もやってしまう人のモチベーションって、
確かに一体なんなんだろうな?と気になり
今度は「虫眼とアニ眼」(新潮文庫)養老孟司×宮崎駿
を読んでいる。やはり対談。
行き当たりばったりな読書は楽しい。