日記。

juriano2014-02-18

取材等で西武池袋線。のどかだな。


車中で川崎長太郎「抹香町・路傍」読む。
川崎は大正から昭和にかけて執筆した
私小説作家で、読んだことなかったけど
つげ義春が好んでいる作家なので読んでみた。
お世辞にも巧みな書き手ではないが、
つっかかるような文体がじわじわ染みる。
作品のモチーフは処女作「無題」からし
自らの放蕩生活を描いたものが多い。
年が行ってから娶った若い奥さんとの旅行を描いた
「ふっつ・とみうら」も何とも言えない。
腸の機能が低下して放屁が止まらず辟易する、とか
人間の情けない部分を、あけすけに、
諦観漂う温度で描いている。
正直であけすけで、不遇の愛すべき作家。
こういう表現者をもっと評価してほしい。