『ノスタルジア』

juriano2014-04-06

北千住シネマブルースタジオで観てきた。
アンドレイ・タルコフスキー監督作。
正直難解でほとんど未消化だけど、
長回しで撮られる光と影の映像美と
モチーフのインパクトは強烈だった。


村で狂人扱いされているドメニコという男が特に強烈。
詩人である主人公(多分タルコフスキーの分身)が
心を開くのはこの男だけなんだよね。
イタリアに滞在後、ロシアに帰国して
自殺した作曲家の足跡を辿っている主人公は
最初から死に魅入られている印象。
心臓も患っていて、はじめから
棺桶に片足突っ込んでいる。
現実や生の象徴と思しき通訳の女性とは
まるで噛み合わず、
たびたび挿入される幼少期の頃の映像から
子供時代の風景に救いを求めているらしい
ことがわかる。


1+1は2ではなくより大きな1となるという
狂人の教え。
枯れた温泉を蝋燭に火を灯して端から端まで
渡りきることができれば世界は救われる
という狂人との約束を果たして、
彼は最期、救われたかに見えるんだけど。
いまいち腑に落ちていない。