鷗外図書館。

鷗外ゼミ発表準備、ガシガシやっております。
後期の歴史小説作品から「寒山拾得」を。
正直、参考資料に手を出しすぎた感があり少々後悔しております。


さて、うちの大學にほど近い団子坂に文京区立本郷図書館というところが
あるんですが、ここは元々、鷗外の住居(観潮楼)だったところです。
http://www.city.bunkyo.lg.jp/shisetsu/library/ougaikinen.html
(それにしても、鷗外の「鷗」の字がことごとく「鴎」になっているのは
なんとかならないのか。文京区のサイトですら・・・)
ここの近くにある喫茶店で出すインドカレーがなかなか美味しいというのは
ともかく、ここに鷗外関連の図書が割合豊富に揃っているので、
通い詰めているうちに膨大な量になってしまったというわけです。とほほ。


しかし、ここの図書館の閲覧室の無骨な感じが結構好きです。
古びた個人塾の一室といった趣きで、ガランとした空間に横3人分の机が
きちっと並んでいます。
そして大変通気がよく、非常に寒い。多分外より寒い。
眠気なんか起こそうにも起きないが、それでも眠ろうとしている
御仁は上着を着込んで、フードまで被ってうずくまっていたりして、
居眠りするにも命がけといった素敵な光景が見られます。


図書が置いてあるのは1階なんですが、閲覧室は3階にあり、
重い本を数冊抱えて階段を昇るとなると、結構ツライ。
コピー機も1階なので、何度もこの階段を往復しなければならない。
このように、お世辞にも安らぐような空間とは言えないんですが、
なんというか勉強の厳しさをばっちり肌で感じられる意味で
今時貴重ではないかと思います。気が引き締まります。


夕方ともなれば多少は学生も増えますが、大抵はどの図書館よりも空いており、
お年を召した御仁がぽつりぽつりと、おのおのの勉強に励んでいるばかり。
勉強って孤独で個人作業だけど、やっぱり贅沢だなという、
そんな有り難味に気づかされるようなイイ空間だと思います。
それも文豪鷗外の住居跡ならではのご利益でしょうか。
好きだなあ、鷗外図書館。