CDを売る。

売る人はマメに売るんでしょうが、個人的にはCDは
極力手放したくなく、これまでどんな屑CDも売らぬように
してきましたが、今回、腹を括って売ることにした。
まあ、普通に置き場がなくなってきたというのもあるけど、
年内に引っ越す可能性があり、部屋中のものを減らして
おかねばならないという背景もある。


選り分けてみたら、44枚分けられた。
洋美が、買取は通常定価の5%、などと言っていたので、
どうせ二束三文にしかなるまい、と思いながら、
ヒタヒタと御茶ノ水へ向かう。


売るとなれば当然、なるべく高価で買い取ってもらいたい
わけだが、どのお店が良いのか。
無節操に選り分けたCDだから、量販店が良いのだろう。
この街なら、ユニオンかJanisか。
レア物ならJanisの方が、高価買取してくれるだろう。
お店の姿勢として、あすこは安く売るよりも、棚に備えておく方を
重視しているように思うからだ。
だとしたら、屑CDばかり提げている私はユニオンに行くべき
なのでしょう、と、実は単に駅から一番近かったからのような
気もするが、御茶ノ水駅前店へ。


カウンターの上で露わにされる私の売却CD。
ああ、恥ずかしいな、阿呆なの聴いててすみません。
ていうか、浪人期にお宅の100円セールで買ったやつが結構あるよ。
カムバック・サーモンだよ。
で、そういうのに限って1、2回聴いてもう聴かなくなっちゃうよ。
考えてみると、今ここにあるCD、ほとんど思い入れありませんよ。
それは、やっぱりよくないのであって、私が持っているべきでは
ないのであって、まだ商品として成り立つものがある以上、
誰か聴きたいという人の手に渡るべきなんだ。
ということは、私は今正しい行為をしているんだな。
あっ、何ですかそのアニメタッチのイラストは?
ファルコムBOXCD」?あっそんなのまじまじ見ないで〜。
などと一人、バカ面下げてハラハラしたり感傷に浸ったりしていると、
査定に一時間かかると言い渡され、飯を喰って潰すことに。
おまけに今、1000円以上のお買い物で買取20%アップキャンペーン中
らしく、それならばとmumの『Summer make good』を購入。


査定、出た。
買い取ってもらえたのは25枚、しかし7680円という思わぬ高額。
昔ユニオンさんで仕入れた100円CDは概ね50円(+20%)の半額。
RPGの道具屋か?
しかし、ひとつはなぜか数年の間に価値がついたらしく200円に。
中学生位の時に500円で買った記憶のあるファルコムCDは960円に、
などという具合で、総合すると、アレ?元を取ってしまったのでは?と
意外な結果なんでござんした。
残りはブックオフにて1500円で売却。以上、感無量。


嬉しいのが、やはり不要なモノは処分した方がCD棚が
美しく見えること。
本屋経営時代の早川義夫氏も全く同じことを言っていたけど。
嬉し次いでに、試しに、今聴く気のしないジャンル、
オルタナティヴと分類されそうなCDを抜いてみると、
あら不思議、とてもすっきりしてしまう私のCD棚。
こうなると、面倒くさいので今までアルファベット順に並べていた
CDが段々許せなくなってくる。
ダニー・ハサウェイとドアーズが並んで配置されているのが妙に
気に食わない。
ということで、妙に興が乗ってしまい、下手な工作をおっぱじめ、
レコード屋よろしく、「electronica/post rock」だの
「psychedelic/garage」「folk/progressive」だのと書いた紙片を
CDの間に挟み込んだりした(しかもリバーシブル)。
ふと我に返り、次にこの部屋を訪れた友人はさぞかし爆笑するので
あろうなあ、などと考える。