新ジャンル開拓。

純粋にロックリスナーだった自分にとってテクノは本当に接点がなく、
そのさらに狭いエレクトロニカというカテゴリーを攻めるにしても
知識ゼロの状態から開拓するというのは、なかなか厳しい。
良い音楽に出会うためには、自分向きの情報媒体を持たないと
ならないが、ロックの場合であればこれは雑誌や書籍で充分に
カヴァーできた気がするけど、エレクトロニカはどうなんだろう。


FADERという雑誌がエレクトロニカに強いことや、
エレキング誌の特集(31号)がガイドとしてバイブル化している
ことなどを知った。
しかし、大手雑誌の類では、この音楽に関して聴き手と音楽とを
うまく結びつけてやることは困難なのではと思う。
それは、テクノの特徴がまず、無記名性にあると感じるからなのね。
作り手の顔を必要としない。
これは、今テクノをいいなあと思う一番の理由でもあるけど。
だから、アーティストのインタビューなんて、やらなくていいし
俺はあまり読みたくもないな。


あと、嗜好の細分化ね。
ただ一口にエレクトロニカと言ったところで、はてなのキーワードを
見れば分かるように、フロアで使用することを必ずしも前提としない
というだけで、定義がとても広く(その懐の広さが好きですが)
そこから嗜好によってさらに多チャンネル化されている。
これはカヴァーしきれないし、雑誌として主体性を保とうとしたら
どうしたって、読む人によっては食い足りないものになるはずだし。
そうなると、書籍は頼り切れない。
自分の必要なトコだけぶんどってくるしかない。


そうなると、レコード屋の存在がかなりでかくなる。
自分の趣味に見合うものを置いている店。
見つけると、とても嬉しいですね。
あと、信用のおけるレーベルを見つける。
ウェブサイトを持っているところが多いから、これも使える。
細分化していく嗜好に対応するには、やっぱりインディペンデントの
レーベルが強い。フリーペーパーも、みつからないけど多分同じ。


なんか、とても当たり前の話をしている気がしてきたけど、
今改めて思うのは、自分がいかにベタなものを聴いてきたか、
=メディアに煽動されてきたってことだね。
全然、エレクトロニカだけじゃなく、何でもそうで、
音楽の枝葉のところに行けば行くほど、自分自身のメディアを
持たなければならなくて、それが、でも情報のあり方という意味で
めちゃめちゃ健全な感じがするのね。
それを今さらながら実感して、とても清々しいという。