『アメリカン・スプレンダー』

juriano2005-05-31

なんか昨日から映画ばっか観てるんだけども。
ひとまず吉井に前教えてもらったこれを観る。
アメリカのカルト漫画家ハービー・ピーカー
伝記映画。
同名の原作漫画はハービー自身が主人公となり
冴えない日常の体験をそのまま作品化してしまう
というもの。
およそヒーローというには程遠いハービーの
ダメダメな日常に、読者は共感を覚える。


ノンフィクション漫画を描く男の伝記映画、という
特殊な題材を生かして、映画の方も描き方が
相当変わっている。
まず、ハービーを演ずる俳優とは別に、
ハービー・パーカー本人も語り手として出演する。
挙句ハービー自身が俳優を指して
「こいつは俺とは全然似てない」と言う始末。
描く自分、描かれる自分、漫画の中の自分、
映画の中の自分、本当の自分…という具合に
色んなハービー像が現れているのが面白い。


あと、漫画のコマ割りを模したレイアウトがとても
面白い。俺はつい、メガドラの『コミックスゾーン』を
思い出してしまったが。
http://sega-gamehompo.jp/game/MD_COMIX/


全体的に、バカ笑いする感じではないけど緩い感じがいい。
ハービーは頑固で気難しく、またどこまでも情けないが、
終盤そんな彼がきっと好きになっているはず。