『ディープ・ブルー』

juriano2005-08-16

うーん、駄目だったなあ、俺これは好きになれない。
教育番組を観させられてる気分だった。
皇帝ペンギン』の成功してる点がこれを観た後だと
分かる気がする。


さすが制作期間に7年もかけているだけあって
映像はスゴイ。色んな海の色んなお魚が観れる。
深海の映像は結構ドキドキする。
発光する生命体なんか、この世のものと思えない。
でもそれだけだったらNHKのドキュメンタリーで充分
なんじゃないか。よっぽど高画質だし。
映画というメディアに乗せなきゃならない意味が
いまいち分からなかった。


そして演出がくどい。
ベルリン・フィル・ハーモニーを使うのは別に良いけどさ・・・
壮大な海をバックに、勇壮なオーケストラってさ、
ダサイんだよとにかく。観ていて恥ずかしくなる。
ラッセンの絵を観ているような気持ちになる。
普段目にすることのない小動物のミニマムな世界を
描くわけだから、もっと動物側の視点に立った
ミニマムな演出の方がよかったんではないか。
この音楽の使い方はアングロサクソン的というか、
エゴイスティックな匂いがして好きになれない。
ナレーションも同様。


皇帝ペンギン』の演出はこの映画とは対極。
音楽も、ミニマムなエレクトロニカがはまっている。
エミリー・シモンの歌はペンギンが歌っているみたいだし。
ディープ・ブルー』にはない品性を感じる。
まあ好みの問題なんだろうけど。


けど、こういうドキュメンタリーものは割といやらしく
なってしまいがちなのは事実かもしれない。
映画というメディアに乗せる場合、結局のところ重要なのは
演出であって、それを施す作り手の人間性
掛かってるのかもしれません。