『リンダリンダリンダ』

juriano2005-08-15

http://www.linda3.com/
@渋谷シネセゾン18:45の回。
なぜだか分からないけど、奇妙な印象を受けた。
観る側として心にピントが合わなかったというか、
次に観たらちょっと変わるんだろうけど、その
印象の出所がいまいち掴めない。


映画としての起伏が乏しくて淡々としているのは
山下作品ではいつものことだし、むしろこれまでの
作品群と比べたら一番わかりやすくカタルシス
用意されてると思うんだけど。
山下監督自身は元々ブルーハーツにも女子高生にも
コピーバンドにも素材として興味がなかったらしいし、
そういう要素が独特の引いた感じを与えているのかな。
グイグイ入って、映画に散りばめられたモチーフが
リンクするような感じが全然ないんだよね。
ソンが告白されたり、凛子と恵の人間関係とか、
色々あるけども、それが着地していくところがない。
逆にそれが青春のもどかしさを描き出してるとも
言えるし、そもそも山下映画ってそういうものだった
かもしれないけど。


まああくまで俺の個人的な感想だから、素直に観れば
普通は青春時代を思い出して楽しく観れるハズです。
随所で山下流の小ネタも満載だしね。
韓国からの留学生、ソン役のペ・ドゥナのキャラクターは
特に強烈。出演作を初めて観たけど、他のやつもさっそく
観てみたい。
眼がギョロッと大きくて可愛いですよ。
ただペ・ドゥナの存在感が強すぎて他のメンバーが
薄くなってしまったんではという気もする。


あとは前半がちょっとダルイようにも思いました。
凛子と恵の人間関係のゴタツキは正直言って
いらなかったんじゃないか。
そこから映画が始まっちゃうのは観ていて疲れる。
徹夜の練習で疲れて眠ってるシーンとか、
卒業アルバム眺めてるシーンとか、あとスーパーのところとか
すごくいいんだけど。
もっともっとカラッポにした方がよかったかもしれない。


最後の文化祭のシーンは、一見ハッピーエンドだけど、
空虚さを孕んでる感じがよかったね。
終わりが見えているという。
パーランマウムは多分これっきりなんだろうね。
これが『青春デンデケデケデケ』だと、その後の話も
少し描いちゃうけど、山下監督はやらない。
色々持ち帰らされる。こういうとこはやっぱ良いね。


ペ・ドゥナ出演作で気になる映画・・・
復讐者に憐れみを
ほえる犬は噛まない
子猫をお願い