藝祭2006。

juriano2006-09-13

http://www.geidai.ac.jp/event/geisai06/
先週末は東京藝術大学の学祭に3日目だけ行ってきた。
卒業した今改めて考えると、東洋の学祭に一度も
顔を出したことがなかったような…?
イヤ、気のせいだよな。多分忘れてるだけなんだよ、うん。


芸祭、行ってみたらスゲー面白かったです。
声楽科の人たちとか当然ながらめちゃめちゃ歌がうまいよね。
BAR風の模擬店なんかでは、声楽科の店員がその辺歩きながら
歌っているわけ。
スゲー、なんつうかイタリアンなノリで。
日本人も練習すればこんな声が出るんだな。
ごく自然にその辺で歌ったり楽器やったりしてるのがいい。
ストリートなノリというのともちょっと違くて、空気に
なっちゃってるのがとても雰囲気よかった。


まあ、展示は合間に観れるべー、とりあえず演奏聴こうや
ということで、パンフを眺めた後、なぜか
長唄を聴きに行った。ちゃんと聴くのは初めてだ。
会場は構内にある一室。靴を脱いで上がると、
かなりしっかりした能楽堂があって驚いた。
松の木の絵だってあるし、驚きだぜ。
文学部の講義で習ったとおりの実物を前に感動する。
そして演奏。
三味線・小鼓・大鼓・謡など。
細かいことは分からないけどうまかったよ。
演奏者は年下か同年代なわけだよ。
スゲーなーこの人ら、一生これやっていくんだなと思う。
お客さんは、どう見ても演奏者の親とか親戚がたくさん
いるんですよ。
どんな気持ちで観ているのかとか考えてしまった。
「あれだけ反対したけど、なかなかサマになってるな。
頑張ってるじゃないか」
とか、思ってんのかなあ。
オトーサン、娘さんは立派に成長したよ。
ちなみに外国人が初めて邦楽を聴くみたいな感覚に
どうしてもなってしまうのは、毒されてるよなあ。。。
あえてそういう感覚で言えば長唄は極めてサイケです。
基本は三味線によるユニゾンです。
そして、フレーズがあまりもとの場所に帰ってこない。
そして催眠効果。眠くなる。
あれですよ、居眠りするのも立派な鑑賞法らしいよ。
いびきを立てちゃいけないってとこが難しいけど。


そして、展示を色々観る。油絵から立体作品まで色々。
何を観ても、もちろん単純に技術が高いというのも
あるわけですが、なんというか全体的に志が
高くっていいよ。
それぞれになんか抱えてやがるなーというのがある。
極端にいえば技術的にうまくったって別に何も思わない。
まあそればっかりやってるんだからうまいよなと。
心を動かされるのはそういうんではなくて。。。


ゾッとしたのは、無造作に置いてあったクロッキー帳。
電車のなか、お店のなかとかでの人物クロッキー
大量に書いてある。
それ、日付が入っているんだけど、同じ日付のが
わーっとあるわけ。
そして、毎日書きつづけているわけ。
あっ、これはかなわねぇと思った。
ゾクッときた。
やっぱりビビらされるのは質より量なんだよ。
そいつの情念とか、もっと言えば生活のようなものが
見えるのが一番ゾッとする。
森山大道の対話集『昼の学校 夜の学校』も買ったけど
「結局量のない質はないんです」っていう一節を読んだら、
もうそれ以上読む必要がなくなっちゃった。
スイマセン、お腹一杯ですとなってしまった。
そういう意味でのスゴイ作品が、いくつかあったと思う。


実は美術学部の校舎のほうのメインの展示はあんまり見れなかった。
17時で展示が終わっちゃう。
ちゃんと全部観たかったら土日2日間通わないとつらい。
あ、アニメーション作品を創っている映像美術部は
スゲーレベルが高くてびっくりした。面白かった。
http://www.geidai.ac.jp/~de14137/eizo/


どれも全部面白かったんですけど、青木純という人の
作品はすごくソリッドで無駄がなかった。
特に『コタツネコ』というのが最強でした。
だって題名が『コタツネコ』ですよ?
『コマネコ』みたいの想像するじゃないですか。
http://www.komaneko.com/index.shtml
ところが突然デスメタル(しかも自作)に乗せて
「コ〜タ〜ツ〜ネ〜コォォォォ!!」ですよ。
最高だ。
青木純さんのHP:http://www.aokijun.net/
ぜひその目で確かめてみて。


さて、展示も終わり屋台のビールなど呑みつつ、
餅など食いつつ、さりげなく本日メインで楽しみにしていた
曽我部恵一BANDのLIVEを観る。
あー、なんて遅い僕の夏フェス。
生曽我部さんを初めて観ましたが、曽我部さんてこういう
キャラだったんだ。
「サンキュー愛してます」とか
「今日は君たちの人生で一番目か二番目にいい日になる」
とか、発言がまるでキヨシロー。
なんてあついんだ。
クイックジャパンの対談とかの、レコード収集家だったり
サブカルなイメージがあったので誤解しておりました。
オレは部外者だけど、芸大生は特に楽しかっただろうな。
踊ってはじけて、夏の締めくくりに最高だった。
また来年も行こう。