一週間が終わった/市K学園文化祭について。

今週もなかなか締まった。我輩は健闘した。えらい。
先日、悶絶忙殺中の印刷会社営業ベイダー氏(24)と
久々に秋葉原にて晩飯を共にした。
元々どこか狂っている彼だがここのところやっぱり
どっかネジがトンでいるように感じられた。
我輩も恐らくそうなのであろう。
仕事というのは果たしてなんであるか。


話はだいぶ遡るが今月冒頭、同氏および
市川市在住・無職透明サディ氏(24)と母校であるところの
市K学園の文化祭に侵入してきた。
ファッキンドロップアウトした我輩にとって同校は、
専ら嫌悪および呪詛の対象でしかない。


それに何故に出掛けるか?
我輩にも判然としない。
しかし、我輩は我輩の敵を確認したかったのかもしれない。
我輩には敵がいる。そう、常に敵がいた。
敵がいるのだから、奮闘せねばならないのだ。
漠然とした仮想敵でありながら、その明瞭に感じられる
敵を滅ぼすために、我輩は奮然努力してきた。
言うなればそれが、我輩の我輩たるアイデンティティである。
ファッキンデストロイ!!ということである。


そして見た。
それは茫漠たる風景だった。
放置された一面の芝。
そこはかつて、我輩の呪ったところの灰色の校舎があった
まさしくその場所である。
我輩は現実感を著しく喪失した。
敵はもはや、ここにいないのだ。


オノレ!と別所に設置された新校舎に足を伸ばす。
清潔な舎内には流れるのはストリングスの響き。
演奏しているのは、あろうことか女子(オナゴ)である。
何なのだ、何なのだここは!
我輩は冷や汗をかきながら、何かを求めて足早に徘徊する。
中学生・高校生たちの顔面に浮かぶのは無垢なる笑顔。
我輩は激しく自己を喪失する感覚に陥る。
高校生である我輩は果たしてこんなところにいたのか?
あの退廃と汚辱極まる日々は?


打ちひしがれ、そぞろ歩く。
眼前には、美術部の展示スペースが。
遠方に見えるのは、我輩が最も忌避すべき顧問教師および
白鳥的先輩の並んで座る光景。
だが、果たしてこんなショボくれた2名が敵であるか?
我輩の敵は、もっと強大かつ絶対的であったハズである。
目も合わさずに握手を交わした。
何なのだ、その弱々しく握る手は!
貴様ごときのためにこれまで奮闘してきたのか。


我輩の居る場所/あるいは居た場所はもはや消え失せていた。
あたかも、初めから何事もなかったかのように。
それで清算したつもりか、帳尻を合わせたというつもりなのか。
もはや判然とせぬ敵を相手に闘わねばならない。


反骨でスーツを着る。反骨でやりたくない仕事をする。
果たしてそんなことが理解されるのか知らないが、
今何となくそういう気分である。