ジャック・ケルアック『路上』

最近、活字というとケルアックの『路上』を
我ながら情けないスピードで、一日数ページずつ
たらたら読んでいます。


『路上』はご存知の人も多いかもしれませんが
ビート・ジェネレーション、ヒッピーのバイブルと
されてきた本です。
とにかく若者たちが意味なく大陸を横断し放浪し続ける。
行く先々で色々な出来事が起きてもそれぞれの
エピソードには全く連続性がない。
簡潔でドライな筆致によって感傷に浸る間もなく、
ひたすら主人公の移動を追体験するのみ。
普通の小説を読み慣れた頭にはかなり面食らうこと
請け合いです。


いつ読み終わるのかさっぱり分かりませんが
例えば取材先に行く途中の『路上』はかなり贅沢です。
あー、オレは今勤め人をしているけど結局
どこまでも孤独でフリーなんだーと教えてくれます。
凝り固まった価値観なんてどんどん破壊して
自分を解体してしまえばいい。
絶えることのない没入と離反だ。
まだ未消化ですが人間存在を突き詰める生き様を
描いている小説だと思います。
オレも多分にヒッピー的素質があるので
バイブルになりそうです。