『誰も知らない』

ふと思い立ちDVDコピっていたのを久々に観る。2度目。
これを観ていない人がいたらぜひ一回は観てほしい。
フィクションだけど実際の事件をもとにしています。


主人公の家族構成は、母親と4人兄妹。
地に足のついていない母親は子供を放ったらかして
毎晩遅くまで出かけている。
4人の子供の父親はそれぞれ違う男だ。
1ヶ月ぶりに帰宅した母親に長男が問い詰める。
「大体お母さん勝手なんだよ」
「なによ、私が幸せになっちゃいけないっていうの?」
クリスマスまでには帰って来ると言って出かけた
母親は年が明けても帰ってこない…


俳優は割合有名どころを使っているんですが
演技がとにかく真に迫っている。
芝居がかったところが少ない。
子供同士のやりとりなんて本当にリアルだ。
YOU演じる母親像も怖いくらい本物っぽい。
泣いたりとか、感情の起伏をあまり見せない。
ただ淡々と進行していく。
一見普通に、ごく当たり前のように送られる生活。
淡々と狂っている。


カップメンを幸せそうに食べる子供。
コンビニ店員扮するサンタクロス。
売れ残りのクリスマスケーキ。
下らない玩具を、切実に必要な薬を万引きする。
モノに溢れた消費社会の舞台裏で起きる現実に
吐き気を催す。
幸せって何だろう、家族って何だろう?
ドライな目線で進行して、何も語らないこの映画は
暗に色んなことを問い掛けてくる。
この狂った世界でどう生きればいいのか。
色々考えさせられます。