「グミ・チョコレート・パイン」

juriano2009-01-25

大槻ケンヂ原作の映画「グミ・チョコレート・パイン」を
DVDで借りて観た。
1986年が舞台の青春群像映画。
この原作は読んでいないが僕は高校中退した頃
大槻ケンヂの音楽や彼の書く文章にはまっていた。
新興宗教オモイデ教」「くるぐる使い」など小説も
面白かったが、むしろ彼のエッセイを
よく読んでいたかもしれない。
「お前の目は死んだ魚の目だ」と教師に言われた
エピソードや、自意識過剰と自己嫌悪の狭間で
名画座に通い(昼飯代を抜き)、
ポルノ映画館に通い、アンダーグラウンドな音楽に
ドロドロのはけ口を求めて、他人と違うことをすることで
借り物のアイデンティティにすがる。。。
といったような彼の青春と、僕の青春は
オーバーラップする部分が非常に多かった。
あー。自分だけではないのだなと
当時救われたような気分で読んだような気がする。


映画も、そんなエッセイで読んだような
断片が散りばめられた内容で面白かった。
カタルシスもないし、後味も決して良くはないが
かなりリアルな青春群像だった。
他人の青春なんて知らないが、
青春は醜くて、もどかしく不完全燃焼で厄介な代物で
あると思う。
軽々しく「美しい」などとは口にできない代物である。