日記。

juriano2013-04-09

山本精一のエッセイ「ギンガ」を図書館で取り寄せ、読んでいる。
こういうの入荷してる荒川区図書館、まじでコア。


氏のエッセイ、慢性的に精神がダウンしている俺にとって
何故か非常にスッと入ってくる。
あまり他では味わえない種類の面白さだと思う。
話としてオチがあったりなかったりして、
放り出されるような読後感。
題材自体はリアリズムなものが多いんだけど、
異次元の話を聞いているようでもある。
これは氏が異形のモノを引き寄せてしまうというよりは
歪んだフィルターが面白いからであって、
日常のなかに潜む非日常的なモノに対して
かなり高いアンテナを張っているのだと思う。


また、氏は相当のサービス精神の持ち主だと思う。
曲をつくって録音してアルバムを出す、という行為は
自分にとって手品のようなものだから
スタジオでその過程を周りのスタッフに見られるのが嫌だ、
という話が印象的。


あけすけ、かつ虚実ないまぜで
心地よくペテンにかけられる感覚。
心地よい嘘、というのは氏の音楽にも当てはまる、
ような気がする。
氏の音楽は、ぎりぎりのところで
ポジでもネガでもなく、
救われる気持ちがするのだ。
そういうものでないと
すんなり聴けなくなってしまった。


山本精一&PHEWの「幸福のすみか」、欲しい。
明日取材で中野行くついでに探そうかな。