日記。

juriano2013-06-10

堀辰雄風立ちぬ・美しい村」粛々と読んで
クールダウン。
今度の宮崎アニメ、堀辰雄にオマージュを
捧げているらしいので予習の意味も含め。
大学のゼミの担当教授が堀辰雄研究やっていたのに
ちゃんと読んでいなかった。反省。
の意味も込めて図書館で堀辰雄の研究論文を探したら、
件の竹内教授が、雑誌の対談に写真入りで
出ているのを見つけ、懐かしいと思って借りた。
(ちょっと調べたら、竹内先生は昨年定年退職されたようだ。
最終講義、潜り込めば良かったな)


堀辰雄、フラットに読んだけど染みた。
安直な印象としては、リアリズムを美しいものに
換えて作品化する姿勢に作家として気高い魂を感じた。
甘美な世界観だけに誤解されやすそうな作家だとも思うけど、
病床の奥さんとの死を孕んだ生の幸福を描いた「風立ちぬ」は
実話がベース(堀自身とその時の奥さんがモデル)で、
おまけに実際の出来事とのタイムラグが
ほとんどない状態で書かれている。
ひと筋縄ではないと思う。
先行研究も不十分のようなので、取り組めばよかった。


いま、そういう志の高い作家ってなかなかいないと思うし、
いても「イタイ奴」として片付けられるんじゃないだろうか。
そういう精神的な貧しさ、ネットやSNSで助長されている気がする。
空気読めるやつが偉いという風潮、嫌いなのは
空気読めるやつって志というか、魂のレベルが低いと思うから。
AKB総選挙とかで騒いでる奴ら、堀辰雄読んでから
100回死ねばいいのに、と思う。
(いけないいけない、クールダウン)


風立ちぬ」、戦時中に特攻兵の少年たちがポケットに
そっと忍ばせていたそう。それ、悲しすぎるなあと。