原田曜平『ヤンキー経済 消費の主役・新保守層の正体』(幻冬舎新書)。

原田曜平氏の手玉に載って「マイルドヤンキー」について考えている。
氏による造語だが、地元志向が強く
同年代の友人や家族との仲間意識を基盤とした生活を
ベースとする若者を指す。
昔のヤンキーのような野心を持たず、
あくまで現状維持を好む。
都会にも出たがらず、極力家から半径5km圏内で生活する。
「絆」とか「家族」とかを大切にする。
EXILEが大好き。


だいぶ先入観が先走りつつも
同世代に対して感じてきた違和感や
仮想敵としていた対象が言語化・相対化されて
腑に落ちる感じがすると共にすごく引っ掛かってる。


本書は博報堂勤務の著者によるマーケティングが柱であって
要は彼らをいかに食い物にしてやろうかという本なので
はっきり言ってえげつない。
食う奴も食われる奴もどこかネジが飛んでるとは思う。


世界に一つだけの花」とか現状肯定の歌や、
友達や家族が大事みたいな脳が沸きそうな歌が流行ったり
皆異常なほどディズニーランドやワンピース好きだったり、
ショッピングモールで完結する生活スタイルや
子沢山で仲間内で気が大きくなってる感じや、
海外ドラマ観るだけが楽しみみたいな、
そんなマジョリティに対して
僕はずっとイラつき、嫌悪し、
時に恐怖感を覚えてきたんだけど
(ところどころ同属嫌悪も入っている)。


これは多分僕自身に何らかのトラウマがあるためで、
上記のような生態を裏返したところに
概ねアイデンティティーがありそう。
個人的に突き詰めて考えてみたい問題。