080429「愛は伝染する」鈴木亜紀(Vo,P)/早川義夫(Vo,P)@新宿ゴールデン街劇場。

juriano2008-05-01

早川義夫さんのライブを初体験してきた。
それも、60人で目一杯になるくらいの空間で、
手を伸ばせば届いてしまうほどの近さで。
超贅沢な環境。
「愛は伝染する」@新宿ゴールデン街劇場。


16才くらいの頃からずっと早川さんの音楽を聴き、
文章を読んでは感銘を受けてきた自分にとって
氏の存在は常に自分の中に息づいている。
コム・デ・ギャルソンのYシャツに身を包んで
登場する、サングラスを掛けていない
早川さんを初めて目のあたりにして、
とても不思議な感覚を覚えた。


「ちょっと待って下さいね」とマイクの位置を
調整しているので、なんとなくゆるいムードで
始まるのかなと思っていたら、
歌い始めた途端に瞬時にして場の空気が変わった。
それはもう、強烈だった。
後頭部をハンマーでガツンと殴られたような衝撃。
間と間を切り裂くような、力に満ち溢れた歌声。
ピアノを叩く指先は、緊張のためか震えている。
それだけ純粋で、真剣だということがよくわかる。
次元がちがう、本気の度合いが全然違う。
本当に美しいものを見た気がした。
これはCDを聴いてるだけでは分からなかったー。


情けなくも圧倒され続け、歌詞が頭にあまり
入ってこなかったが、「割れた鏡の中から」
「この世で一番キレイなもの」
「音楽」「猫のミータン」「躁と鬱の間で」
などが特に印象に残っている。
聴きたい曲は全部やってくれたような気がした。


ちなみに、共演の鈴木亜紀さんの弾き語りも
とても良かった。
小金が入るとふらっと外国に旅に出かけてしまう
というカッコイイ生き方をなさっているらしい。
本人の歌はとても日本的なのがよいと思った。
自分のことを自分の言葉で歌っていて、
何より陽性のオーラを放っており、
アンコールで早川さんと「いい娘だね」を
協演する姿を見て、いい組み合わせだなーと思う。
最後は緊張も解けた感じで、なごやかに
ハッピーに終わってとてもよかった。
自分的に超贅沢な時間だった。


終演後、外で煙草を吹かしていたら、
早川さんが普通に現れてビックリした。
ファンと握手とか普通にしている姿を
目の前で見ていた。
話したかったけど、声を掛けるには少しばかり
好きすぎて無理でした。
ちょっと距離を置いたところでずーっとぼんやり
眺めていた。
うーん、これからも頑張ってください。
と心の中でつぶやく。