『デッサンのすすめ (市民のための美術入門)』吉田敦彦著

juriano2008-08-12

実はとても好きな本なのだが未だ入手できておらず、
地元の図書館で何度も借りてしまう。
いわゆる技術書に偏った内容ではなく、デッサンをすることで
いかに人生がステキになるかについて語っている本。
書いてある内容以前に、文章が秀逸。
著者は文学部哲学科(美学西洋美術史専攻)卒という
経歴の持ち主。サスガだなあ。
平易で、柔軟で、謙虚な筆致。
品のある文章とはまさにこういう文のことだと思う。


マア、それとは別に近頃冷静になれた試しがないので、
久々にデッサンもどきを描いてみた。
クロッキーブックに写真の模写だからデッサンとは
程遠いワケですが、それでも心がクールダウンできた。
「デッサンは知的作業」と氏は綴っている。
相対的な観察に徹することによって、あらゆる主観と
戦いながら真実に近づいていく、というようなことを
分かりやすく書いていて、共感します。


モノクロ写真をやって以来、すっかりコントラストフェチな
ワタクシなので、仕上げでトーンを落としていくときが
エも言われぬ快感。しばらくやっていたい。


吉田敦彦氏のサイト↓
http://www5e.biglobe.ne.jp/~atsuhiko/