細野晴臣「分福茶釜」

吉井氏が最近愛読してるらしい由聞いて購入。
鈴木惣一郎氏のインタビュー形式。
断片的な話題がいくつも織り込まれているんだけど
なかなか上手く編集されていると感じた。
どこからでも読める。
さりげなく良いこと書いてあるんです。


「マルチレコーディングになって以来、空気を全部削ぎ落として『音』だけの情報にして、空気がなくなった分をエコーで処理して空間をつくっていくの空虚さ。それを今、痛感してる」
「大きな音が人に伝わるとは限らない。ぼくの経験では小さな音の方が、かえってみんな耳をそばだてるから」
「音楽も、演説も、アジテーションも、とにかく大きな音は空しいんだよ」
「CDだけじゃダメなんだよ。空気に音を出さなきゃ、響かせなきゃいけない」
「モノづくりっていうのは何かが自分を通して過去から未来に通っていくだけだっていう風に感じたの」
「去る者は追わず、来る者は拒まず。でも、本当に大事なものはとことん追い求め続ける」


いいね。語り口のうまさ。
聞き手が鈴木惣一郎氏ということもあって
非常に健全というか、バランス感覚の取れた
音楽対話、人生対話になってる。
読んでいてココロが落ち着く。