ジャイナ教の食事。

先週木曜日に友人たちと御徒町の某インドカレー店に行った。
ネットの評価がよかったので期待値も高かったのだが
行ってみたら全てが斜め上を行っていて、壮絶な体験だった。
普段我々が口にしているインドカレー
実に日本ナイズされていたことがよく理解できた。


言語の壁もありメニューは店員にお任せ状態だったので
自分が結局のところ何を食べたのかもよく判らないのだが、
ビジュアルから想起する味・食感をことごとく裏切ってくる。
カレーが数皿、つけ合わせ的なものが数皿、
同じサイズの皿に盛られてくるので、どこまでがカレーなのかも
判然としない。
「あれ?そもそもカレーって何だったっけ」と思ってしまう。
ヨーグルトに米に青唐辛子をミックスした、
主食なのか付け合せなのかデザートなのか
立ち位置不明のものもあった。
「濃い店に行こう」という当初の意図は見事に果たしたが
食い終わる頃には精神的に消耗しており、
こんなに疲れる食事は初めてだった。
食事後も、話題は自分たちが食った代物に対しての論議がやまない。
素材が何であるかすら不明なものもあるため、
味も言語化しがたく、語彙として評価軸を持っていない感じ。
結果的にその感想は例えば、
「子供の頃食べた和菓子みたいな味」のようなことになる。


そこはいわゆるジャイナ教の食事を出す店であったことを後で知り、
なぜあのような感じになったのか少し納得した。
ジャイナ教においては菜食主義というのは正確ではなく
「不殺生」を主義としているそうだ。
肉・卵類は一切とらない上、さらに野菜でも
植物を殺すことになるもの(大根、芋、葱など)を
禁じている(乳製品は可)徹底ぶり。
むちゃくちゃ制約が多い。
タブーを積み重ねた結果、あのような味付けだった訳だ。
しかし、ヨーグルトと米は混ぜないほうが
味覚としてノーマルではないだろうか。
正しくカルチャーショックだった。